「目に見えないものがたいせつ」
20代の頃、勤めていた事務所のボスが、何度も口にしていた言葉です。
振り返ると、当時は頭で理解しているつもりでも、
本当に腑に落ちるところまでは至っていなかったように思います。
けれど歳を重ねるにつれて、その言葉がじわじわと体に浸透してきて、
あぁ本当にそうだなぁ、と実感することが増えてきました。
では「目に見えないもの」とは何でしょう?
空気、におい、音、電気、温度や湿度など、
暮らしを支えるけれど普段は意識しにくいもの。
そして――
こころ、人間関係、思い、願い、意識、欲望。
直接見ることはできないけれど、
何か別のものに姿を変えて、存在することを私たちに教えてくれます。
目には映らなくても、確かに私たちを動かしているのです。
よく考えると、悩みだってそうかもしれません。
誰かや何かを大切にしたい気持ちがあるからこそ、悩みが生まれる。
裏を返せばそれもまた「たいせつ」の証。
そんなふうに考える今日この頃です。