身体から知る快適さ

たとえ家の中で過ごす時間が少なかったとしても、家という場所はどことも違う、特別な空間ではないでしょうか。
寝て、食べて、お風呂に入り、一息つく。
もっとも無防備な自分でいられる場所だから。

だからそこで使われる素材は、安心できるものであってほしいと考えています。

住まいの快適さは、広さや設備だけで決まるものではありません。
私たちは五感をはじめとした全身の感覚を使って、その場所を感じ取っているのです。
部屋の広さやデザイン、音など、目や耳から入ってくる情報は意識しやすい一方で、空気や光、素材の肌触りは常日頃から意識しているわけではありません。

けれど、
「なんだか居心地がいい」
「ここにいると落ち着く」
「ずっと座っていたくなる」
そんなことを感じたことはありませんか。

それは、その場の空気の状態や光、床やドアの肌触り、香りなどが心地よく調和しているからかもしれません。
こうした快適さは、頭で理解するというよりも、身体が自然に感じ取っているものなのでしょう。
穏やかさや安心感、そうした感覚の積み重ねから生まれてくるように思います。
反対に、空気がよどんでいたり、触れるものに違和感があったりすると、知らず知らずのうちに疲れやストレスにつながることもあります。

私たちの感覚は、考えている以上に周りの状態を察知し、多くのことを教えてくれているのです。
自分にとっての「快」の感覚の積み重ねは、おのずと心身の健康につながっていくのではないでしょうか。

ですから、家を建てる前に、素材についても少し思いを巡らせてみませんか。

これまで暮らしてきた家で、心地よいと感じた場所はどんな空間だっただろう。
旅先で落ち着いた宿や、つい長居してしまったカフェは、どんな素材でできていたのだろう。

そんなふうに振り返ってみると、自分の身体が本当に心地よいと感じる住まいのヒントが見つかるかもしれません。